いじめが原因となった後遺症とは?子供を守るための方法も解説します
身体だけでなく精神的にも未発達の子供がいじめを受けると、心に大きな傷を負うこととなります。
一度負った傷はなかなか癒えず、子供によっては後遺症となってその後の生活にも大きな支障をきたすことになるかもしれません。
今回はいじめが原因となった後遺症の内容を、子供を守るための方法と一緒に解説します。
いじめが原因で自殺をする子供は少なくない
いじめは子供の心に大きな傷を残します。普段生活している社会の範囲が狭い子供にとって、学校や友人関係はとても大きな存在。
その大きな存在の中でいじめを受けると居場所がなくなるだけでなく、強い自己否定にもつながります。
文部科学省の発表によると、2018年度に自殺をした小学生と中学生、そして高校生の数は332人。前年比で33%増です。
さらに自殺の原因を見てみると、家庭不和や父母からのしっせきなどが高順位にあがり、いじめは全体の2.7%でした。
一見すると低い数字に思えますが、実は原因不明とする自殺が全体の58.4%を占めています。
原因不明の中にいじめも含まれていると想像され、いじめが原因となって自殺にいたる子供の数は決して少なくないことが分かるでしょう。
いじめによって子供が苦しむ後遺症
いじめが原因となって、子供にさまざまな後遺症が残ることがあります。
具体的にどのような後遺症があるのかをチェックしていきましょう。
うつ病
まずはうつ病です。うつ病は日本人の3~7%が経験しているといわれており、他人事ではない病気。
うつ病と一口にいっても症状の出方は人それぞれで、症状に合わせて治療法も変わっていきます。
大きく身体症状と精神症状の2種類に分けられるのが特徴です。
身体症状は食欲の減退、睡眠障害、体のダルさ、動悸やめまい、頭痛、便秘などが挙げられ、人によっては精神症状の前に出現することも少なくありません。
精神症状としては抑うつ感や興味・関心の減退、イライラ感、自責、思考力の低下、そして希死念慮(死にたくなること)などです。
パニック障害
パニック障害は動悸やめまい、吐き気、このまま死んでしまうのではないかといった衝動が、発作的に突然襲うものを指します。
パニック発作が続くと「また起こるのではないか」「次こそは発作で死んでしまうのではないか」と常に不安を感じるようになり、発作が起きた場所へ出かけられなくなるのも特徴です。
PTSD(心的外傷後ストレス障害)
最後はPTSDです。
いじめのような大きなショックとなる出来事が、心に大きな傷を作ります。ショックとなる出来事からしばらく時間が経過した後もフラッシュバックのように突然記憶に蘇り、まるで出来事を体験したときのように強い不安や衝撃を受けるものです。
いじめられた現場のことを思い出す、不安にかられる、めまいがする、そして眠れないなどの症状が数ヶ月続く場合は、PTSDかもしれません。
いじめを見逃すのは危険なこと
前述したように、いじめが原因となってうつ病やパニック障害、そしてPTSDなどの後遺症を子供が背負ってしまう可能性は十分にあります。
ケースによっては治療をして回復するまでに長い期間を必要とすることもあり、社会生活にも支障をきたしてしまうかもしれません。
また最悪の場合、自殺につながる可能性も考えましょう。
「子供同士のことだから」「放っておけば、そのうち収まる」と思っていると、取り返しのつかない状況におちいるかもしれませんよ。
なるべく早い段階から適切に対応することが大切です。
子供をいじめの被害から守るためにできること
最後に子供をいじめの被害から守るためにできることを紹介します。
親は何があっても味方であることを言葉で伝える
いじめを受けている子供は孤独です。恥ずかしい、または迷惑をかけたくない想いから両親に訴えることもめったにしません。
まず親は何があっても味方であることを、言葉でしっかり子供に伝えてあげましょう。
親が味方になってくれると理解するだけで、子供の心は十分救われるものです。
学校は無理せずに休ませる
もし子供が学校に行きたくないといったり、無理をしているような様子が見られたりしたら、当分の間は休ませてしまっても構いません。
無理して登校させると心の傷は癒えるどころか、ますます広がってしまう可能性があります。いじめの問題がひと段落する、心の傷が癒えるまでは自宅でゆっくりさせてあげましょう。
最優先に考えるべきことは、子供の身体的・精神的健康です。
いじめの証拠を保管しておく
学校へいじめ被害の訴えをする際、いじめの証拠があると話しがスムーズに進みます。
何月何日にどのようないじめを受けたのかを記録する、身体に傷を受けたら写真に撮っておく、SNSに悪口が書かれていたらスクリーンショットをしておく、そして可能であれば実際にいじめを受けている現場の写真や動画があるとベストですね。
ただし現場の写真や動画を残すのは、素人では難しい部分もあるでしょう。
探偵事務所であれば豊富な実績とスキルを活用して、いじめの証拠をつかんでくれますよ。
学校に相談をする
いじめが学校内の人間関係の中で起きているのであれば、学校がいじめ解決の中心となります。
担任の先生にアポイントを取って、直接顔を合わせて相談しましょう。
ポイントは感情的にならないこと、そして学校にクレームをぶつけないことです。
スムーズに話しを進め、解決に向けて協力をしてもらうために、「一緒にいじめ問題を解決したい」といったスタンスで臨むようにしてください。
まとめ
いじめが原因となってうつ病やパニック障害、PTSDなどの後遺症が残る可能性があります。人によっては長い期間にわたって生活に支障をきたすため、なるべく早い段階でいじめ問題に介入しなければいけません。
放っておけば、そのうち収まると楽観視するのはNGです。
まずは子供に親が味方であることを、言葉で直接伝えましょう。親が守ってくれると分かるだけで、子供の心は軽くなるものです。
いじめの証拠をつかむのであれば、探偵事務所に相談してみてはいかがでしょうか。初回相談は無料としているところも多いので、気軽に相談できますよ。