学校で起こるいじめの原因とは?いじめの予防策も解説します!
子どもを持つ親にとって最も心配なことの一つが、学校で起こるいじめです。「まさか自分の子どもが」と考えたくはないものですが、現実的にいじめの被害は誰にでも起こりえます。
今回は学校で起こるいじめの原因について、いじめの予防策と一緒に解説します。
学校へ起こるいじめの原因とは?環境的要因と加害者側の要因
小学校や中学校、高校などの学校で起こるいじめの原因は、一概に一つとはいえません。たとえばある一つのいじめも、いくつかの原因が複雑に絡み合って発生しているのです。
主な原因は環境的要因と、加害者側の要因の2つにわけられます。それぞれの詳細を見ていきましょう。
環境的要因
まずは環境的要因です。
教師の目が行き届かない
滋賀県大津市がおこなった調査によると、学校のいじめは休憩時間と昼休みに多く発生しているとされています。どちらの時間も教師は子どもから離れていることが多く、目が行き届かない環境で発生しやすいことがわかります。
子どもにとってのストレスが多い
2つ目は子どもにとってのストレスが多い環境です。蓄積したストレスは発散させるために、いじめをする子どもも存在します。
「教師や親といった大人が、子どもにうるさく口を出す」「子どもがきゅうくつさを感じるような、ルールや制限が多い」などは、子どものストレスを増大させてしまいます。
大人が見て見ぬふりをしている
教師や親をはじめとする親が、子どものいじめを見て見ぬふりをすると、子どもは「いじめをしても別にいいんだ」と勘違いをします。
またいじめについて「いじめる側だけでなく、いじめられる側にも問題がある」といった発言をすることも、子どものいじめを助長させる原因です。
多様性を尊重しない
環境的要因の最後は、多様性を尊重しないことです。子どものいじめは、多数派の子どもと違った部分があることで起こることも少なくありません。
「一人だけ髪の毛の色が違う」「一人だけ勉強ができない」「他の子どものように、仲間の輪に入っていけない」などです。
学校や教室、子どもの社会の中で多様性を尊重できない雰囲気が作られていると、子どもは他とは違った子どもを排除しようとすることがあります。
加害者側の要因
学校で起こるいじめの原因の2つ目は、加害者側の要因です。
家庭のストレスを抱えている
1つ目は家庭のストレスを抱えていることです。親からしょっちゅう叱られていたり、勉強を強いられていたりすると、本来は心が休まるはずの自宅で安堵した時間を過ごせないと、子どものストレスはどんどんたまっていきます。
常にイライラした感情を抱えており、たまったうっぷんを発散させるために、無意識に自分よりも弱い立場の子どもをいじめるのです。
親に暴力性が認められる
子どもは自分が育った家庭環境の中で、さまざまなことを学びます。特に小さい頃は家庭以外の世界と接する機会がほとんどないため、親の行動や言動を「正しいもの」と学習します。
父親や母親に暴力性が認められると、子どもは暴力をふるうことを「やっていいもの」「当たり前のこと」と誤認識してしまうでしょう。
自分の子どもを学校のいじめから守るためにできること
子どもを学校のいじめから守るために、親はどのようなことができるのでしょうか?
主な予防法を全部で4つ紹介します。
何かあったら相談するように伝えておく
いじめを受けた子どもの中には、親を含む大人に相談できなかったケースも少なくありません。恥ずかしい気持ちや認めたくない気持ちの他に、「相談しても、どうせ何も変わらないから」と思っていることも理由です。
しかしいじめを誰かに相談した場合、「いじめはなくなった」「いじめは少なくなった」とする割合が、全体の70%以上に占める調査結果もあります。つまり誰かに相談した方が、いじめ問題が解決できる確率が高まるということです。
常日頃から自分の子どもに「何かあったら、相談してね」と伝えておきましょう。たった一言伝えておくことで、相談しやすい雰囲気が生まれます。
学校のいじめ対策を確認しておく
2つ目は学校のいじめ対策を確認しておくことです。多くの学校では子どものいじめが発生しないよう、また発生したとしても早期に解決できるような対策をしています。
担任の教師に、学校全体でどのようないじめ対策を講じているのかを聞いてみましょう。親や子どもにとっての安心材料となるだけでなく、いじめを防ぐために親としても何ができるのかを知るヒントが得られるはずです。
普段から子どもの様子をチェックしておく
いじめが起きてしまった場合、状況が深刻化しないためには早期発見・早期対応が欠かせません。子どもの様子を普段からチェックして、すぐに異変に気づけるようにしておきましょう。
「口数が少なくなった」「楽しみにしていたテレビ番組を見なくなった」「食欲がなくなった」「学校や友達の話しをしなくなった、または聞かれると意図的に避けようとしている」「持ち物が良く紛失するようになった」「体調不良で登校をしぶるようになった」など、身体面や精神面、持ち物などに何か変化がないかどうかを確認してください。
いじめに関する記録を取っておく
もしいじめられていることがわかったら、いじめに関する記録を取っておきましょう。後々、学校や警察へ相談する際の証拠として役立ちます。
何月何日の何時に、誰からどのようなことをされたのかメモに取ったり、身体の傷や破損した持ち物を写真に撮ったりしてください。
もし上手く証拠を集められない場合、探偵事務所へ依頼する方法もあります。学校の外で起こるいじめの現場を押さえ、画像やビデオに証拠を残してくれるでしょう。
まとめ
学校で起こるいじめの原因は大きく、環境的要因と加害者側の要因の2つがあります。一つのいじめのケースに複数の要因が、複雑に絡んでいることが一般的です。
いじめを防ぎ、また状況を深刻化させないために親としてできることはたくさんあります。今回紹介した予防策も参考にして、大切な子どももいじめの被害から守りましょう。